山本 能久 ヤマモト ヨシヒサ
昭和24年5月2日生まれ
永年にわたり、演劇作品上演における音響効果担当者として、数多くの作品の上演に携わり活躍するとともに、人材育成にも努め、我が国の芸術文化の振興に多大な貢献をしている。
(山本氏は最後列、右から二人目)
(学歴・職歴・団体歴等)
昭和46年 3月 青山学院大学理工学部 電気電子工学科卒業
昭和46年~48年 プロのバンド活動(ドラム奏者)
昭和48年 4月 株式会社 綜合舞台入社
昭和52年 3月 同社退社
昭和52年 4月 株式会社サウンドクラフト入社
昭和52年 9月 同社退社
昭和52年10月から つかこうへい劇団、木野花/フラワーズカンパニー、劇団☆新感線、芸能山城組などの音響デザインを多く手掛け
る。
平成 3年 3月 株式会社エスイーシステムを設立し、現在に至る。
(主な受賞歴)
平成14年 日本音響家協会賞
(主要な担当作品・舞台)
● つかこうへい 作・演出(音響担当)
昭和53年 サロメ:西武劇場(現パルコ劇場)
昭和55年 熱海殺人事件:紀伊國屋ホール
昭和56年 蒲田行進曲:紀ノ国屋ホール
昭和60年 ソウル版熱海殺人事件:ソウル文芸会館
平成 2年 飛龍伝'90:セゾン劇場(平成4年飛龍伝'92、平成6年飛龍伝'94)
平成11年 二代目はクリスチャン:パルコ劇場
平成22年 飛龍伝〜ラストプリンセス(新橋演舞場)
● 劇団☆新感線 いのうえひでのり演出(音響担当)
平成12年 阿修羅城の瞳:新橋演舞場
平成16年 髑髏城の7人:日生劇場
平成16年. SHIRO:帝国劇場
● アール・ユー・ピー プロデュース公演(音響担当)
平成10年 新幕末純情伝:岡村俊一演出:シアターコクーン
平成12年 七色いんこ:落合正幸演出:赤坂ACTシアター
平成13年 東亜悲恋:岡村俊一演出:青山劇場
平成17年 あずみ:岡村俊一演出: 明治座
平成21年 蛇姫様:杉田成道演出:シアターコクーン
平成28年 ReLife:岡村俊一演出:サンシャイン劇場
令和 4年 フォーティンブラス:岡村俊一演出:シアターコクーン
令和 5年 フラガール:河毛俊作演出:新国立劇場
● 中屋敷法仁 演出作品(音響担当)
令和 4年 世阿弥のキス:豊田市能楽堂
令和 5年 リトルセブンの冒険:水戸芸術館
令和 6年 推しの子:シアターH
商業演劇の音響担当として、大阪純情物語:新歌舞伎座、菊次郎とさき:シアター1010、
台所太平記:明治座、細雪:新歌舞伎座といった作品を手がける。
■つかこうへい監修「高校生のための実践演劇講座/第2巻・舞台美術・照明・音響効果編」を出版 白水社刊
(推薦理由)
同人は、プロのドラム奏者として活動を行なった後、株式会社綜合舞台と株式会社サウンドクラフトを経て、株式会社エスイーシステムを設立し、同社を率いる。
昭和53 年〜平成22 年まで「つか以前」「つか以降」と評され演劇界に革命を起こした「つかこうへい」の音響効果担当として「熱海殺人事件」「寝取られ宗介」「蒲田行進曲」「幕末純情伝」「二代目はクリスチャン」など、多数の作品に携わった。
つかこうへいの演劇を通して、観客心理を心得て緻密に計算した「演劇を観るのではなく演劇を感じさせてくれる音響デザイン」は、音により観客に深い感動を与え、業界に大きな影響を及ぼした。ダイナミズムに富む無音から一気に音の洪水の中に観客を連れて行く手法など
は、演出空間創造の可能性を広げ、音響デザインの有用性を再認識させた。50 年を優に超えるキャリアを重ねた現在も話題作の音響を手がけ、第一線で活躍している。
こうした「なぜこの音を出すのか、何に対してこの音を出すのか」を考え「音に芝居をさせる」ことを念頭に置いた技術的手法は、プロの現場のみならず、高校演劇の世界にまでも波及効果を生み出し、学生演劇の技術向上、アマチュア演劇の底上げに繋がった。
なお、現在は、EPAD(2025 年度セレクション作品募集)の事業、舞台作品の8K 映像による劇場での上映に音響担当として従事。デジタルコンテンツの表現に技術力を発揮している。
さらには、長期間に渡り全国規模で次世代の舞台音響技術者の育成に力を注いでいる。特に想像力を養い創造を生み出す技術者を育成するため「音響フィロソフィー研究会」を主宰。全国から参加を得ている。
このように、我が国の舞台音響の分野において技術革新と人材養成の両面で貢献し、次世代の担い手である若者をはじめ広い世代に影響を与え、文化芸術の発展に尽くしている。
(推薦団体)一般社団法人 日本音響家協会
(推薦者役職・氏名)代表理事 糸日谷智孝