一般社団法人 日本音響家協会
  • ホーム
  • 音響家技能認定講座
  • SEAS AWARD
  • 日本音響家協会史
  • 優良ホール100選
  • ライブラリー
  • お知らせ
  • 仕込み図テンプレート
  • 入会案内
  • 先達たちの足跡
  • お問い合わせ
  • 新製品・メーカー情報
  • 本部オフィス
  • 支部
  • contact
  • 各種手続き案内
  • GGM team
  • 8nojimakiGP

手記#9


サービスは人間力で

公共劇場従業員の接客の基本

 

関 賢栄

(ザ・ゴールドエンジン)

 

 

 

指定管理者制度が開始してから、公共ホールの従業員の態度に変化がありました。

格安な委託料金で契約されたところは、開き直ったように、利用者に無理難題をふっかけています。志を抱いて契約したところは、利用者目線で接して利用者から好評です。 

 

サービスとは『相手に気を配って尽くすこと』です。

客を集めて儲ける商売には、これが必要なのです。また、接客は『相手を不機嫌にしないように接する』ことが基本です。

 

劇場技術者からすれば、観客だけでなく、出演者が劇場で気分良く過ごせるように計らうことも大切で、それは言葉遣いから始まり、依頼された仕事を敏速に達成することです。できることはすぐにやり、できそうなことは挑戦してみようという前向きな行動をすることが大切なのです。

 

そして、相手が求めていることを実現するのが不可能なときは、納得いただけるように分かりやすく説明するか、またはどのようにすれば可能になるかをアドバイスします。いきなり「決まりですから」「危険だから」「上司の許可が必要だから」などと言ったのでは角が立ちます。

 

相手がプロでないときは、専門家の「上から目線」ではなく、「相手の目線」で対応すれば巧くいきます。「素人にはわからないでしょうけど・・・」とは、口が裂けても言うべきでありません。断り方の上手な人がいます。そういう人は、自分たちだけしか通用しない専門用語を使ったりはしません。

 

つまり、煙に捲くようなことをしては、火に油を注ぐことになります。

 

経費節減のためにセルフサービスの店が増えています。メニューの上を電子ペンでタッチするとオーダーできる居酒屋もあります。

バス格安ツアーで、タラバガニやしゃぶしゃぶの食べ放題というのが定番になっています。

それらは料理ではなく食材を提供しているわけですから、プロの料理人の必要がないのです。食材をテーブルに運ぶだけで済むのですから、アルバイトでいいのです。

ボイルされた冷凍蟹を解凍すればよいし、冷凍された肉をスライスするだけが厨房の仕事です。つまり、人件費を削減できるから可能な格安プランなのです。客はひたすら食べて、食べた量で満足しているのですから、品質などそれほど気にしません。材料費を支払って食べているようなもので、そこの店員の笑顔などどうでもいいのです。

 

では、パソコンを利用して自動会館利用受付装置、駅の改札のような劇場の自動チケットテイク装置、最近では増えましたがクローク代わりのコインロッカーなどは、人件費節約にはなりますが味気ないものです。やはり、笑顔の人間力が欲しいですね。

 

レストランなどで利益を上げるには、食材の質を落とすか人件費の削減ですが、単に従業員の給料を低くしたのでは腕利きの職人はいなくなり、そして客が喜ぶ料理を提供できなくなり、信用を落とす破目になります。

 

食材が良くても調理が下手なら、その料理の値打ちはなくなります。その逆もあります。

どちらが営業上、好ましいのかはすぐに理解できるでしょう。

 

経済がバブルだったころ、とにかく大勢で賑やかに仕事をしていれば、アルバイトだろうと頭数だけのギャラを受け取ることができました。大掛かりなコンサートで、中身が空っぽのスピーカボックスを山積みしていても機材費が支払われた時代です。

 

しかし、不景気になるとそうしてはいられなくなりました。

バブル期以前の昔はどうであったかというと、腕利きの技術スタッフ数人で、ときには一人で、効率良く、要領良く仕事をやっていました。ギャラも高かったです。それを二束三文の世界にしてしまったのは、一体どなたなのでしょうか。

 

そして、いざバブルが弾けるとその人たちは、それまで見向きもしなかった劇場管理運営という3Kの仕事に群がり出したのです。

 

「貧すれば鈍する」がごとく、劇場の利用者を騙し、脅かして金をむさぼるような舞台管理会社も出没し、ひんしゅくを買っています。そのようなことをいつまでも続けていたのでは劇場技術者は破滅します。客の喜ぶ顔を見て嬉しくなれる劇場従事者が育つ環境を構築しなければなりません。劇場従事者にとって、出演者も主催者も外来スタッフも大切なお客様であることを自覚すべきです。

 

そのお客様方は、そこで働いているスタッフが財団の職員であれ、委託スタッフであれ、アルバイトであれ、区別して見ていないのです。

 

つまり、判別できないので、すべて劇場の従業員と見ているのです。

したがって、利用者は自分たちの要望を叶えてくれるプロのスタッフと思っています。そして、何でもできるエキスパートであるとも思っています。

 

さて、自分は周囲からどのように見られているのかを気にし始めたら、公共劇場の従業員として役に立つ「人財(じんざい)」に成長できると思います。


  • SEAS Archive 先達たちの足跡
  • 転載人語
  • 音響の基礎知識
  • 業界の基礎知識
概要 | プライバシーポリシー | Cookie ポリシー | サイトマップ
ログイン ログアウト | 編集
  • ホーム
    • 2025年度総会議案書
    • 劇場技術マネジメント教本刊行
    • 事業内容
    • 運営方針
    • 公告
    • 機関誌「耳袋」への投稿
    • 8noji−entry
    • 8の字巻きグランプリ史
    • 2025年度実施事業
    • 2024年度実施事業
    • 2023年度実施事業
    • 2022年度実施事業
    • 2021年度実施事業
    • 2020年度実施事業
    • 2019年度実施事業
    • 2018年度実施事業
    • 2017年度実施事業
    • SEASのプライバシーポリシー
  • 音響家技能認定講座
    • 技能認定者名簿
    • IDカード用写真について
    • 受講料
    • 技能認定証再発行について
    • 認定証再発行申請フォーム
    • 実施概要
    • 実施記録
    • 受講者の感想
  • SEAS AWARD
    • 日本音響家協会賞規則
    • 候補者募集
    • 候補者推薦書
  • 日本音響家協会史
  • 優良ホール100選
    • 優良ホール訪問記
    • 認定基準
    • 候補募集
    • 応募用紙
    • 応募フォーム
    • 辞退申請フォーム
    • 再審査申請フォーム
  • ライブラリー
    • SEAS Archive 先達たちの足跡
    • 転載人語
    • 音響の基礎知識
    • 業界の基礎知識
  • お知らせ
  • 仕込み図テンプレート
    • 配置図作成例
    • 結線図作成例
  • 入会案内
    • 新入会申込フォーム/北海道支部
    • 新入会申込フォーム/東日本支部
    • 新入会申込フォーム/北陸支部
    • 新入会申込フォーム/中部支部
    • 新入会申込フォーム/西日本支部
    • 再入会申込フォーム
  • 先達たちの足跡
  • お問い合わせ
  • 新製品・メーカー情報
  • 本部オフィス
    • 総会議事録
    • 理事会議事録
    • 事業委員会報告
    • 編集委員会報告
    • 組織図
    • 会費の納入
    • 設立趣旨
    • 定款
    • 定款施行細則
    • 会員に関する規則
    • 理事会規則
    • 支部運営規則
    • 役員名簿
    • 役員選出フロー
    • 除籍・退会フロー
    • 事業中止等に関する取扱基準
    • 賃金・謝金・旅費・原稿料の支払い基準(パスワード必要)
    • 源泉徴収・消費税10%版
    • 主催・共催・主管等の定義
    • 個人情報保護に関する基本方針
    • 機関誌広告要項
  • 支部
    • 北海道支部
    • 東日本支部
    • 北陸支部
      • 会報・小音響かわらばん
    • 中部支部
    • 西日本支部
  • contact
  • 各種手続き案内
    • 正会員に移行するには
    • 北海道/住所・電話・メール変更
    • 東日本/住所・電話・メール変更
    • 北陸/住所・電話・メール変更
    • 中部/住所・電話・メール変更
    • 西日本/住所・電話・メール変更
    • 再入会について
    • 除籍者の復籍方法
  • GGM team
  • 8nojimakiGP
    • 協賛依頼書
  • トップへ戻る
閉じる