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北海道・札幌市教育文化会館


札幌市教育文化会館は、財団法人札幌市芸術文化財団・教育文化会館事業部が運営している。市民の芸術文化活動を応援する「市民芸術祭」や、企画を公募して開催する「札幌市民劇場」など、市民とともに歩む活動をしている。演劇の拠点という存在で、学生たちや市民の演劇活動の場ともなっている。そこには「MDデッキやCDプレイヤーは、安価な民生機器でいいから、誰にでも自由に使わせ、壊されることなどあまり気にしていない」という運営方針がある。このような大きな気持ちで対応しないと、教育や振興などできるわけがない。市民会館は誰のもので、それをどのように運用するかが大切なのである。今回は、札幌市教育文化会館の山形等さんを訪ねて、公共施設の役割と目標について伺った。(2006年10月取材)

 

 

Q 公共ホールの運営には、市民参加型と観賞型、そして貸館型があると思うのですが、札幌市教育文化会館は市民参加型ではないでしょうか。

 

山形 当初から地域住民の方々を中心に運営してきました。

 

Q 今では、さらに市民の声に耳を傾けないと駄目ですね。

 

山形 そうです。舞台技術者までが技術のことだけでなく、サービスとかホスピタリティー(もてなし)を心がけ、職場全体が一丸となって市民に喜ばれる施設にしていかなければなりません。

 

Q 他の施設と比較されたりしますからね。

 

山形 余所にも市の施設があるので、競争です。良い意味の競争なら良いのですが。

 

Q 貴ホールは、高校演劇などに多く使われているようですね。

 

山形 はい、中学や高校の演劇部からはホームグラウンドのように受けとめられいます。昔は、怖いおじさんがいて怒鳴られたり、分かりづらい舞台用語で対応されたり、「危険だ・・危険だ」といわれて近づき難かった従来の公共施設の運営だったと思います。その後、ホール側が対応の仕方を勉強し改めましたので、今では次の公演の相談を受けたり、余所での公演まで相談に来るようになりました。

 

Q それは公共ホールの理想的な在り方です。専門技術者たちが、舞台を自分たちだけのものにしてしまっては問題です。公共ホールは市民の舞台創造のセンターにならなければならないのです。

 

山形 安全にサポートしてあげるのもプロのなすべきことではないでしょうか。アマチュアを排除してはいけません。舞台に携わる者は、使用する方からの相談を受けたりしながら、同じ目標を目指して舞台を創りあげていくという心を持たなければなりません。それで感動が生まれ、みんなを喜ばせなければプロではありません。

 

Q 私たちの仕事は「人を幸せにするためのもの」ですからね。 

 

山形 毎年、市内アマチュア小劇団に発表の場を提供し、演劇の底上げをしています。これは1985年から継続しており、今年で21年目となります。第1回目のゲスト劇団が流山児 祥さんの劇団でした。流山児さんには今年、「セカンドライフのための演劇講座」と称して、50歳代から始める演劇についてワークショップをお願いしました。

 

Q 市民の目を演劇に向けさせる活動もすべきですね。

 

山形 市民で実行委員会を立ち上げ、ホールスタッフと一緒になって市民自らが活動して、演劇を育てていくこともやっています。そのイベントの中には、小学生以上ならどなたでも参加できる「ミニバックステージツァー」や、用意された台本を2日間の稽古で本番に仕上げる「ミニライブシアター・5分間劇場」があります。

 

Q 市民に演劇を見せるだけでなく、演じさせるとさらに興味を持ちますからね。とても良い企画ですね。市民との接触は、会館が良い施設になるための秘訣です。

 

山形 私たちは、常に市民との接触がありますので、外からの意見や要望が次から次へと届くので、いつも頭を柔軟にしておかないと素直に受け入れなくなってしまうので気を付けています。

 

Q 堅い頭が一番の敵です。

 

山形 「教文演劇セミナー」というのがありまして、これが13年続きました。高校生以上を対象にしたもので2年間で修了するのですが、前半の1年は基礎的なカリキュラム、後半の1年間は実技が加わり、前期と後期に2回分けて自分たちが選んだ作品を上演するのです。

そこで学んだ学生たちが、自らの劇団を立ち上げたり、演劇人として全国で活躍しています。その人たちもここをホームグラウンドと考えていて、講師をしてくれたり、いろいろな協力をしてくれるので力強いです。

 

Q 巣立って成長して、また古巣に戻ってくるという環境は素晴らしいです。一般的に「壊されるからアマチュアには設備を使わせるな」という風潮があります・・・

 

山形 それをやっていては市民は離れていきます。設備はプロが使用しても痛んでいくものです。それを恐れては芸術創造は不可能です。ましてや育成はできません。プロがサポートして、教えてあげて、自由に使わせて、それで育つのです。

 

Q 学校でも規制ばかりしているようでは、立派に育ちません。

 

山形 高価な機材ばかり揃えて、使わせないのでは宝の持ち腐れですよ。MDやCDプレーヤなどは民生で十分ですから自由に使わせて、どんどん更新すればよい。

 

Q 公共施設は市民の税金で建てたもので、それを預かって運営しているのが指定管理者です。有効に、有意義に使ってこそ市民の財産として価値があるのです。

 

山形 現場側からみた公共施設のあり方は、利用者が使いやすい、行ってみたい、魅力のある施設ということですが、指定管理者制度によって施設の設立目的がそれ始めてきていると思います。私どもが行ってきた「参加型」も大切ですが、並行して「鑑賞型」も必要です。

今では「参加型」と「鑑賞型」を合わせたものが多くなっています。全国的な著名人、または地元の活躍者などが行う公演でも、大半はワークショップを取り入れ、参加者が体験をして自ら楽しむというものです。プロの作品もたくさん鑑賞して感性を磨かないといつまでたっても「井の中の蛙」で喜んでいることになります。これでは市民の芸術文化振興にはならないと思います。

 

Q 良いものを観賞して、自分たちの感性を高め、より高度な創造力を養うことが「芸術文化の振興」というものです。すごく良いものを見続けないと駄目です。

 

山形 そのために安く良い舞台芸術作品を提供することが、市民のための芸術の殿堂だと思います。利用率とか来館者数とか、目新しい事業とかで評価されますが、公共施設の本来のあり方とは違うのではないでしょうか。絵画のように、すばらしい作品で目を肥やし、感性を高めてこそ、作品の本当のすばらしさを理解できるのだと思いますし、技術的にも高度なものなのか判断できるようになる思います。

 

Q 最高級の作品を提供して、多くの市民に観ていただくことで、市民の目は肥え、その高度な観客の目が、さらに舞台芸術を高度なものにしていくのです。良い観客を作ることも大切な事業です。市民の目を気にするあまり、市民に媚びた運営は慎まなければならないでしょう。

 

山形 こういう観客は、演者にもスタッフにも公共施設にも厳しい評価を下しますから、そのおかげで演者は成長し、スタッフや施設は気を抜くことができなくなり、良い成果が得られるのではないでしょうか。

大袈裟な表現かもわかりませんが、大きな目標として、鑑賞だけでなく体験も、そして育成も行う施設運営を掲げたいです。常に進化し続ける施設でありたいし、そこで働く人たちは努力を惜しまず、訪れる方々には楽しく幸福な気持ちになってお帰りいただける運営をしたいです。何事も前向きに考えたいです。

 

Q そうでないと、いずれ公共ホールは滅びてしまいます。文化施設の保有者は、指定管理者の評価対象を金儲けとしないで、市民の芸術文化振興が最大の目的であることに気付いてもらいたいですね。

 

   

 

■札幌市教育文化会館は、1,100席と360席の多目的ホール、8個の研修室と156席の講堂、その他にバレエなどのリハーサル室が2つ、演劇などの練習室が2つある。ホール以外にこれだけの付随施設があると利用しやすい。ここで稽古をして、ここで発表できる。当会館は、道内のホールのリーダー格として、全国各地のホール運営者との交流を密にしながら、ホール運営の正しいあり方を研究し続けている。【取材:八板賢二郎】

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