ワークショップ
ミクスト音楽の現在
日 時:2024年2月9日(金) 14時開始
会 場:東京・立川市/国立音楽大学・新1号館オーケストラスタジオ
出演者:佐原洸 電子音響デザイン/本堂誠 サクソフォン/河村絢音 ヴァイオリン
■報告
現代音楽の新鮮で現代的な進歩を確認できました。
演奏を堪能した後、休憩を挟んで開始した第2部は、スタッフの坂下雄一支部長、羽田野晉嗣事務局長、音響全般を担当した奥山竜太理事の発案で進行し、参加者(受講者)の意見に応じ、即座に様々な実験が行われました。
それは、参加者が自由に動き回って音を確認したり、演奏者を横から観察したり、または演奏者に観客席中央で演奏していただいたりして、そこには参加者の意見や提案が非常に多く、ワークショップ本来の姿がありました。
それは、佐原 洸さんがおっしゃるように「能動的な参加者」が多かったからです。 制作担当 八板賢二郎
■ワークショップ参加の皆様へ御礼
ご参加いただきありがとうございました。この機会にミクスト音楽を体験していただけたこと大変嬉しく思います。
参加者の皆様方からのフィードバックによって充実した機会となり、奏者側も大いに学ぶところの多い時間でした。
電子音響を用いた演奏会は今後、存在感を増していくことと思いますので、ぜひ足をお運びいただけると嬉しいです。
奏者一同素晴らしい経験ができ、代表して感謝申し上げます。 電子音響デザイン 佐原 洸
■参加者様からのご意見
◎武田 毅様 いつも有意義なワークショップの実施、ありがとうございます。
音楽の表現拡大に音響的なエフェクトの進歩が寄与しているのは間違いないとおもいます。ただそれが有効なものになるかどうかはオペレーション次第。そういった意味で、また考えることの多かった2時間でした。
◎匿名希望様 ご親切なガイドのもと、生演奏とサウンドファイル、リアルタイムFXの、それぞれの重なり方が異なるミクスト音楽の4作品を実演で聴くことが出来、大変有意義な講演に感謝申し上げます。
生演奏の音色がエレクトロにかき消される現場にも遭遇しますが、今回はあくまで生演奏の奏者の音色が重視された上での周囲の8本のスピーカーとの適度な音量のバランスの中で鑑賞することができ、佐原さんの楽器奏者さんに対する緻密な配慮を感じました。
◎匿名希望様 音響関係者とこれほどに密な音楽は無いのではないでしょうか。『音楽』というジャンルでも環境音楽のほうであり、椅子に座って聞く音楽では無い。屋内のショーなどで使える技術かと思って興味深く聞いていました。
◎匿名希望様 ふだんはあまり聴くことのないジャンルの演奏が聴けてよかったです。音作りや音響システムの設置も参考になりました。
◎和田守弘様 ミクスト音楽体験、ありがとうございました。私はただただ混乱するばかりです。注)時代の違う高齢なので!若い音響技術者はハード面でどのように向き合えばよいのか、この音創りは音楽家と音響家が一緒に研究する必要がありそうですね。
◎匿名希望様 日本音響家協会が主催なので、きっと採算を度外視してやっていると察します。ミクスト音楽を持続させるには可能な限りシンプルな音響機器による手法で、攻撃的な音だけではなく心地よい音楽も加えるとよろしいのではないかな。
◎匿名希望様 私には、現代音楽の良さや魅力のようなものが、よくわかりませんでした。でも良い体験が出来てありがたく思っております。ありがとうございました。
◎匿名希望様 このような音楽があることを知らなかったので、とても貴重な経験ができました。演奏はもちろん素晴らしかったですが、リハーサルから空間をひとつひとつ調整し演奏会を作り上げる佐原さんの空間デザインは素晴らしかったと思います。このような音楽があることを知らなかったので、とても貴重な経験ができました。
◎ 匿名希望様 先日は普段馴染みのなかった音楽に触れる貴重な機会をありがとうございました。沢山のスピーカーに円状に囲まれて演奏を聴くというのは初めての機会で、この曲はどのスピーカーからどんな音を出しているのだろうとワクワクしながら聴くことができました。今後、新しい様式の音楽に出会ったときに、作曲者の方、演奏者の方の表現したいことを汲み取ってオペレーションできるように勉強したいと思います。
◎Tom8ita様 電子音楽に注目して聴いていましたが、私たちが昔やっていたミュージック・コンクレートのようでした。そして映画音楽によろしいのではないかと感じました。佐原さんの映画への挑戦を待望します。NHK−BS放送の映画「スノーデン」を観ていて、さらにそのように思いました。
◎須藤 高宏様 「ミクスト音楽の現在」という現代音楽を国立音大ホールにてマルチチャンネル環境下で実演奏で聴くという非常に貴重な機会に接することができた。
当日の8チャンネル構成のスピーカー配置は単純明快で自分は幸いにスイートスポット(簡単に言うと最も効果的に鑑賞できる位置)でプレーヤーと作曲者に依る同期演奏とでもいうものを堪能できた。
複雑な旋律に複雑な音像を組み合わせた音楽は、自分には眠りを誘うほど心地良かった。
実際の演奏の後に、曲のポイント毎に再演しながら聴取位置を変えて、その内容を解析するように聴けたのも新鮮な体験だった。
開催して頂いた関係各位に感謝いたします。
主 催:一般社団法人日本音響家協会
共催主管:一般社団法人日本音響家協会東日本支部
協 力:国立音楽大学/office R
音 響:奥山 竜太
▼操作機器
▼本堂 誠さん
▼河村絢音さん
▼第2部 参加者が自由に動き回り音を確認
▼演奏者たちに参加者から質問や提案 左端は佐原 洸さん
▼スピーカ設置図(8ヶ所のスピーカ△でコンピュータ音楽を再生)