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サウンドエンジニアとミュージシャンのための公開講座

サウンドクリエイタ養成セミナー

ジャズ音響研究会・北陸版

〜アーティストから学ぶジャズの音創り〜

 

2019年12月5日(木) 13:30~16:15

金沢市民芸術村 パフォーミングスクエア

 

第1部 ビッグバンドの音の組み立て

第2部 ジャズ演奏のSRテクニック 演奏:福井直秀カルテット

 

 

このイベントは、サウンドエンジニアとミュージシャンのための公開講座と銘打ったサウンドクリエイタ養成セミナーです。

従って、マイクやスピーカは何を使っているかということには触れないことにしました。

最初に、いい音ってなにかから始まりました。

メーカーさんはスペック(性能)でしょう。設備音響はチューニングして癖の無いキャンバスを作ること。そしてステージの音響家は観客を感動する音を演出空間に描くのです。観客は、どのような機器を使用しているかに興味はなく、素敵な演奏、演技を楽しみに来ているのだというメッセージから、このイベントは開始しました。

 

第1部は「ビッグバンドの音の組み立て」として、高砂高校ビッグフレンドリージャズオーケストラのチャリティーコンサートを収録した音源を用いて、生演奏では不可能なことを検証しました。

最初は、モニタースピーカ(FB=フォールドバック)から観客席に漏れる音を確認しました。収録したときと同じところにモニタースピーカを設置して、収録時を再現して、受講者に聞いていだきました。SRなしでも充分な音量が客席側に漏れていました。

続いて「被り音」についてです。それぞれのマイクに入っている音を一つずつ試聴して、目的外の音が収音されてしまっている様子を理解していだきました。例えば、ピアノのマイクにバスドラムの音が被っていると、ピアノの音を上げるとバスドラムの音も一緒に上がってしまうということになります。ステージでは被りを皆無にはできないのですが、楽器の配置やマイキングの技で軽減できます。

全体のマイクの収音状態を理解した上で、ビッグバンドの音の組み立てを開始しました。まずリズムセクションのバランスを一体感のある心地よい音にすることから始め、そこにホーンセクションを被せるというプロセスです。

 

第2部は「ジャズ演奏のSRテクニック」で、福井直秀カルテットの皆さんによるご協力で、いろいろと試してみました。

最初は、見た目優先の横並びによる演奏で、モニターがないと演奏できないスタイルで演奏してもらい、次にアイコンタクトで演奏できる配置にして演奏していただきました。

この状態で、定番の「ステージ前L・Rに配置したスピーカ(L-ACOUSTICS  X15 HiQ)」と、「バンド後方の中央に置いたスピーカ(WRAPSOUN NS-8 )」によるSRを比較試聴しました。観客席の広さなどを考慮して、どちらを採用するかは各自で判断すべきことです。小さな会場であればバンド後方にすればモニター無しでも可能になります。これは協会の40周年記念祝賀会で試みていますし、ストリートジャズでもこのような形が定番になっています。

 

このような現場では不可能な実験を行い、最後にステージの前と後方のスピーカを用いてそれぞれ1曲ずつ演奏していただき、このセミナーを終了しました。 

 

▲第1部の解説をする塩田哲嗣インストラクタ(左)と八板賢二郎コーディネータ

▲オペレーションしながら解説する新谷美樹夫インストラクタ(左)と浅原勇治インストラクタ

▲第2部で演奏する福井秀直カルテットのみなさん

福井 直秀 (Fl) 、木村 郁絵 (Pf) 、中山 トモ (C.Bass) 、中沢 宏明 (Ds)

■ジャズ音響研究会・北陸版を終了して

 

インストラクタの塩田哲嗣さんからメッセージ

普段現場では試せない若しくは試しづらい、ミュージシャンとステージモニターとFOHの関係性を、具体的に演奏者の意見も交えながら、様々な組み合わせで聴くことができたのは、素晴らしい経験でした。

同時に、そのステージに関わる人達それぞれが、いかに全く違う立ち位置と価値観で音響バランスを求めているか、そのバラバラな要求に対してどう答えていくか?という、PA( 音響) の一番の醍醐味を味わえました。

また是非、何処かでやってみたいです。ありがとうございましたー。

 

インストラクタの新谷美樹夫さんからのメッセージ

今回のセミナーは機材の話ではなくて、お客さんにジャズを届けるという観点でいくからと八板会長が言われてスタート。

ジャズミュージシャンでレコーディングや音楽プロデュースされている塩田さん、そして関西でジャズ音響家といえばこの方という浅原さんが参加して頂いたというのはナイスキャスティングだったと思います。このような場に私も参加させて頂いたことにとても感謝です。

今回、改めて再認識したことや新たな気づきがありましたが、ミュージシャンと音響家、立ち位置は違うがお客さんに良いジャズを届けるということでは同じであるし、ジャズミュージシャンも交えて様々な実験や検証が出来たのはとても有意義でした。

ステージ上の音をアーティストやミュージシャンと共に創っていく上で、楽器の配置、アンプのヴォリューム、モニタースピーカーの位置や返す音と音量など多くの要素がある中で、演奏のし易さも含めて、コミュニケーションを上手く取りながら信頼関係を作ることが大事と再認識しました。

この機会に私自身のバイアス調整をしながら現場に望みたいと思います。

 

最後に八板会長と塩田さんの進行はとてもジャズ?でした。

 

運営担当の鷹栖了さんからのメッセージ

1部では、録音音源を使用してビックバンドの演奏者がFBとして欲しい音を普段では聴くことのないFBスピーカー毎に聴きました。このことにより、収録マイクの被りの状況や観客席への聞こえ具合が良く解りました。

2部では、バンドに協力をいただいて、アーティストの目線でバンドの配置やFBスピーカー(モニター)の有無による演奏の違いなどを、その都度、バンドメンバーの感想を聞いて、そして新たな状況に於いて演奏をしていただく形でセミナーが行われました。その中には、ミュージシャンが演奏しやすい状況を作り出しての演奏と、観客にとっての良い音の演奏の状態も作り出していただて、聞き比べることもできました。また、バンド前方両サイドにスピーカーを配置した一般的なSRとバンド後方にワンポイントソーススピーカーによるSRの比較もあり、演奏や音の違いが大変理解しやすく興味深いセミナーでありました。

 

このように有意義なセミナーが北陸金沢で開催されたことに感謝しています。

 

■インストラクタのプロフィール

塩田 哲嗣

 2001年から14年間、アメリカを拠点として活動。2010年からはボストンのバークリー音楽大学でミュージックプロダクション&エンジニアリングとパフォマンスを学び、現在はベーシスト、プロデューサー&録音エンジニアとして活躍。

 

新谷美樹夫

 1988年から音響の仕事を開始、現在は主にジャズに携わっている。2005年に金沢市民芸術村においてジュニア(小・中・高生)のジャズオーケストラを設立し活動、他県のジャズフェスへ参加。アメリカ・ニューヨークやバッファロー、ベルギーでの遠征演奏。2009年から金沢ジャズストリートを立ち上げに参画、プロデュースを担当している。

 

浅原 勇治

 1999年からジャズを主に活動し、著名なミュージシャンやビッグバンドの音響担当多数。ジャズ録音の第一人者である及川公生氏などの教示の下、ジャズの本質をわきまえ、ひたすら生音(出音)を大切にし、自然で心地よい音に仕上げるテクニックを学び、2014年に日本音響家協会賞を受賞。関西ジャズ協会会員。

   

主  催:一般社団法人日本音響家協会

主  管:一般社団法人日本音響家協会北陸支部

後  援:一般社団法人日本舞台監督協会

特別後援:石川県公立文化施設協議会・富山県公立文化施設協議会・福井県公立文化施設連絡協議会

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